一番好きなのは、キミだから



はぁ……真宙くん、今日もかっこよかった。


胸のドキドキは、まだしばらくおさまりそうもなくて。


バイト中だというのにあたしは、いま真宙くんの出て行ったドアのほうを、じーっと見つめてしまう。


バイト中だけど。本当は、ダメだってよく分かっているけど。


ほんの少しだけ、余韻に浸るのを許してください。





「七星ちゃん! 今日は、17時までだよね? 時間だから、あがってね?」


同じ販売のアルバイトの先輩・鈴谷(すずや) 莉奈(りな)さんに声をかけられ時計を見ると、バイト終了時刻の17時を過ぎていた。


「あれ? 七星ちゃん、顔が少し赤くない?
もしかして、例の彼?!」


にやにや顔の莉奈さんに聞かれる。


……う。当たりだ。
あたしって、そんなに分かりやすいのかな?


「はい……さっき真宙くんが買いに来てくれました」


「どうりで! あ、七星ちゃん。ほっぺが更にピンクになってる! いつも可愛いのが、更に可愛い〜」



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