一番好きなのは、キミだから
俺は、七星ちゃんにメッセージアプリのIDを書いたメモを渡す。
「俺のIDだから。もし良かったら……。
あと今度、小説の感想とかそれで言っても良いかな?」
「うん、良いよ。そういえば、まだ連絡先交換してなかったね。ありがとう! あとで送るね」
七星ちゃんが、にっこり微笑んでくれた。
七星ちゃんの涙も綺麗だったけど……やっぱり俺は、七星ちゃんの笑った顔が一番好きだ。
***
この日の放課後。
俺は、部活が終わってからさっそく本屋さんへ行き、七星ちゃんが読んでいた本を探す。
「おい、真宙。なんで俺まで、一緒に本屋に付き合わされてんの」
部活終わりだからか、朝陽が怠そうに話す。
「え? だって、今日七星ちゃんが読んでた本、古賀ちゃんも興味津々だったから」
「マジで!?」
「ああ。だから朝陽もそれを読めば、古賀ちゃんとの話題が増えて良いんじゃないかと思って」
「そういうことなら、俺も読むわ。なぁ、どの本?」
お。朝陽のやつ、目の色が変わった。
ほんと、わかりやすすぎ。