一番好きなのは、キミだから
「うん、そうだよ。俺、七星ちゃんと共有してんの。俺ら、仲良くって良いでしょー?」
そして笑顔の真宙くんの手によって、外したイヤホンを再びあたしの右耳に装着される。
「気にして外すことないよ。七星ちゃんが嫌じゃなければ……だけど」
「嫌じゃ……ないよ。真宙くんともっと、一緒に聴いていたい」
「うん、俺も。七星ちゃんと、こうしてたい」
ふたりとも自然と目を閉じ、再びふたりだけの音楽の世界を楽しむ。
「いいなー、新川さん。真宙くんと仲良く……。羨ましい〜」
「ていうか、あの2人って付き合ってるの?」
「でも、新川さん可愛いから。2人けっこうお似合いだよね?」
付き合ってる……!
あたしたち今、そういうふうに見えているの!?
真宙くんファンの子に " お似合い " って、言われたら……なんだか、認めてもらえたみたいで嬉しい。
「はは。俺ら、" 付き合ってるの? " だってさ。七星ちゃん」
「え……っと。あたしとそんなふうに言われたら真宙くん……困っちゃうよね?」
「そうだなぁ。さすがに困るな」