一番好きなのは、キミだから
あの高い声は……
「中条! おはよ、どした?」
真宙くんの視線が、あたしのノートから中条さんへと向けられる。
「あのね、これ! スミくんにあげる!!」
そう言って中条さんは、真宙くんにピンクのリボンで結ばれた白の袋を渡す。
「昨日、教科書を貸してもらったお礼に。
マフィン焼いたの。スミくん甘いもの好きでしょう?」
「おー、マフィン。俺、めっちゃ好き。サンキュ! ちょうど今、小腹が空いてたんだよな」
真宙くんが嬉しそうに、袋からマフィンを取り出す。
「これ、マジうめぇ」
笑顔で、バクバク食べる真宙くん。
「中学のときのバレンタインに渡したとき、スミくんが美味しいって褒めてくれたから」
「うん。やっぱ俺好きだわ、中条のマフィン」