一番好きなのは、キミだから
あのときは、突然のことでびっくりしたけど。
髪型を褒めてもらえて、すごく嬉しかった。
「もし良ければまた……髪の毛、ふたつに結んできて欲しいな。
前に見たとき、すごく可愛かったから。
それからずっと、忘れられなくて」
真宙くんに、そんなことを言われたらやばい。
あたしの頬に、また熱が集まってくる。
明日、いつもより少し早起きして。
久しぶりに、髪をふたつに結ぼう。
「あと、七星ちゃんがバイト休みの日。
放課後良かったら……サッカー部の応援に来て欲しい」
応援に……?
明日、ちょうどバイト休みだ。
「さっきから俺のワガママばかり言って悪いけど。俺、七星ちゃんに一度見に来て欲しくて」
「分かった。明日応援に行くよ」
「え、マジ? やった! 楽しみ!」
サッカー部の応援は、特に一之瀬くんや真宙くんのファンの女の子たちの数がすごくて。
彼女たちに圧倒されて、今までなかなかあの場に行けなかったけど……。
真宙くんと、同じクラスになれたことだし。
真宙くんに、お願いされたから。
明日……勇気を出して行こうと思う。