一番好きなのは、キミだから
両手を熱くなる両頬に当て、素直にコクっと頷くあたし。
「スポーツドリンク、真宙くんに差し入れで渡したいなと思って」
みっちゃんよりも背が低いあたしは、『お願い』と言うように、みっちゃんを上目遣いで見つめてみる。
それに、みっちゃんが応援に行けば、きっと一之瀬くんも喜ぶだろうし。
あたしは密かに、真宙くんの友達という理由で、学校の王子様である一之瀬くんの恋を応援している。
「そういうことなら、一緒に行こう」
「ありがとう! みっちゃん」
この日みっちゃんは日直で仕事がまだ少し残っているからと、あとでグラウンドで合流することになった。