一番好きなのは、キミだから
「……っ」
真宙くんが、見てくれた。
まだ試合中にも関わらず、自分のことを見てくれたのが嬉しくて。
あたしは、真宙くんに何度も何度も手を振った。
──ピピーッ!
それからしばらくして、試合終了のホイッスルがグラウンドに鳴り響く。
部内紅白戦は見事、真宙くんの赤チームが勝利した。
良かったね! 真宙くん。
あたしまで嬉しいよ。
「それじゃあ今日は、これで終了ー!」
「ありがとうございましたーっ!」
サッカー部の練習が、終わったらしい。
応援に来ていた女の子たちが、それぞれのお目当てのサッカー部員に一目散に駆けていく。