一番好きなのは、キミだから



「……っ」


真宙くんが、見てくれた。


まだ試合中にも関わらず、自分のことを見てくれたのが嬉しくて。

あたしは、真宙くんに何度も何度も手を振った。



──ピピーッ!


それからしばらくして、試合終了のホイッスルがグラウンドに鳴り響く。


部内紅白戦は見事、真宙くんの赤チームが勝利した。


良かったね! 真宙くん。

あたしまで嬉しいよ。



「それじゃあ今日は、これで終了ー!」

「ありがとうございましたーっ!」


サッカー部の練習が、終わったらしい。


応援に来ていた女の子たちが、それぞれのお目当てのサッカー部員に一目散に駆けていく。



< 95 / 248 >

この作品をシェア

pagetop