一番好きなのは、キミだから
すごい、皆。早い……!
……しまった。圧倒されている場合じゃなかった。
あたしも、早く真宙くんのところへ行かなきゃ……!
って、あれ? 真宙くん、どこ!?
辺りを見回すけど、真宙くんの姿がない。
これは、完全に出遅れた。
自分がこうしている間にも、真宙くんはファンの女の子に囲まれて。
今頃、中条さんが真宙くんに差し入れを渡しているのでは……?
そんな考えが、頭をよぎる。
そんなの、嫌だ……。
「真宙くん……っ!」