ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
生きる価値…
周りから認められることが?
それが、魔王の価値なの…?
図らずも訪れた沈黙に、魔王がバツの悪そうに眉を寄せて
思い出したかのように、いちごミルクを吸い込んだ。
「まぁ、つーわけでいちごミルクを飲んでる男よりブラックコーヒー飲んでる男のがなんか、っぽいだろ?俺なりの巧妙な意図があんだよ」
巧妙な意図、ねー…
っぽい、とか、お金持ちの世界とか、私には世界が違いすぎて想像もできないけど
「私は無理やりブラックコーヒー飲んでる人には全然ヒンカク?感じないですけど」
「……は?」
なにげなく言った私の言葉に、魔王の手からボトッといちごミルクが落ちた。
「…何言ってんだテメー?」
「…もしかしてなんか怒ってます?」
「イカッてねーよ!!」
と言いながら前の椅子を思い切り蹴とばす魔王!
いやめちゃくちゃ怒ってるじゃん…!
「す、すみませんつまり、私が言いたいのは」
いつ机が蹴とばされるかもわからないので、私は机からさりげなく距離を置いた。
「自分の好きなもの、好きって言って何が悪いんだって思いますけど」