ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
ペットボトルの蓋をあけようとするけど、あれ、なんか固くてあかない…
「かしてみ」
すると突然大きな手が伸びてきて、私の手からそれを奪う。
蓋は驚くほど簡単にあいて、プシュ、と炭酸の抜ける音がした。
「ほら」
「あ…ありがとございます」
受けとる瞬間、魔王と視線がぶつかって。
パッと反射的に、視線をそらした。
魔王の茶色い瞳。
今まで気づかなかったけど、魔王ってすごく綺麗な目してるんだな。思わず、見入っちゃいそうなほど。
「…おまえってさ」
さっき、蓋をあけてくれるときに近づいたのか、ふたりぶんあったはずの距離は、いつのまにか、ひとりぶんになっていた。
「コーラ好きなの?」
「あー、はい、まぁ。炭酸はけっこう好きです」
「…へえ」
「はい」
「………」
……あれ?なんだろう、この沈黙。
校舎の喧騒から切り取られたみたいに。ここだけやけに、静か。
「…ってか珍しいですね!魔…宝示さんがこんなところに一人でいるなんて」
沈黙に耐えきれなくなって、先に口を開いたのは私だった。