ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。





―――…




「お客さんが帰ったらまず、テーブルの上を片付けます!」



そう言って食べ終わったグラスやお皿をお盆の上に置いていく。




「次に布巾でテーブルの上を拭きます!」




せっせとテーブルを拭く私を傍らで威圧感たっぷりに見下ろしているのは、魔王。





「おい。はじっこにゴミ落ちてるぞ」



「はっ!すみません!!」





急いでゴミを拾ってお盆の上に載せた。





「ちょっと汚れちゃったんで、新しい布巾に変えてきますね!ここで暫しお待ちを!」




お盆を持って厨房に入る。



新しい布巾を持って、出て行こうとしたところで






「ちょっと、りの~」





ちょうど入れ替わりで厨房に入ってきた嵐くんに腕をつかまれた。





「ホウジ茶くんとりの、どっちが指導されてるわけー?りのばっか動いてんじゃん」



「そっ、それは…」





たしかに、指導されてるというよりむしろ、ゴミ落ちてるぞとか指摘されてるし…でも





「私たちにはこれが通常スタイルというか…どうしてもこうなっちゃうというか…」



「どゆこと?」



「とにかく、ホウジ茶…じゃない、魔王…じゃない、宝示さんにはちゃんと仕事できるようになってもらうから心配しないで。じゃ」



「ちょー待った」





今度こそ厨房を出ようとしたけど、再度引き止めてくる嵐くん。




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