ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「いやこれはイチャついてなど…って嵐くん!いい加減腕はなして「先輩の恋愛事情に口ははさむもんじゃないぜ、ホウジ茶くん」
嵐くんは私の腕をつかんだまま、ニッコリ魔王に笑いかける。
この闇のオーラを前にして怖気づかないこのメンタル!嵐くんって実はただ者じゃないかも…
そんなことを考えながら無意識に嵐くんの横顔を見つめていると、「チッ」と治安の悪い舌打ちが聞こえた。
「仕事にくだんねーもん持ち込むなって言ってんだよ」
「くだんねー?それは個人の解釈によるよね」
「お前…」
目を細めて嵐くんを見据えた魔王が、ぎろりと、次の瞬間なぜか私にその視線を移した。
「おい。もうあがる時間だろ。帰ろーぜ」
「え…」
確かに時間的にはあがらなきゃだけど、片付けとか残ってるし…
「ダーメ、だよホウジ茶くん?」
魔王の視線を遮るように、嵐くんが一歩私の前に出る。
「りのは俺とゴハンの約束してるからー」
「“りの”…?」
「ちょっと嵐くん!行くなんてまだ一言も」
思わず嵐くんの肩をつかんで振り向かせると、その背後から「チッ!」とさっきよりもさらに機嫌の悪そうな舌打ちが聞こえて
「…もういいわ」
そう言ったときの魔王の顔は、嵐くんに遮られて見えなかったけど。
私の横を通り過ぎる瞬間、一瞬だけ向けられた視線があまりに鋭くて
「い、射殺される…!!!」