ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
数時間後。
ふー、今日のバイトも終わった終わったー!
達成感と解放感に包まれながらファミレスを出る。
少し歩いたところで、「おいっ!」と低い声に呼び止められた。
「宝示さん?」
振り向くと、相変わらず険しい表情をした魔王がこっちに向かって歩いてくるところだった。
「…帰る準備はえーよ」
その言葉、つい最近も誰かに言われたような…なんて思いながら「すみません」と謝る。
「何か私に用でした?」
「よ、用っていうか…別に全然用なんてねえよ!!」
「そ、そうなんですか…!?」
じゃあ何で追いかけてきたの…?
不思議に思う私の前で、魔王はなんだかモゴモゴと口ごもっている。
「た、ただ俺は!お前と…じゃない、…り…り…」
でた!!
突然はじまった“リ”の呪文タイム。
思わず身構える私。
怖い…この呪文を唱え終わった暁には何が起こるのか…何回リを連呼したら終わりなのか謎だけど…!!
身構えた私と、そろり、と視線をあげた魔王の視線が交わる。
「り…り、りの「りの~っ!!」