ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
魔王による緊急招集
「……の。りの!?」
「えっ」
気づいたらすぐ目の前に佑奈のくりっとした瞳と綺麗な唇があって
思わず椅子を引いた。
「ちょっ、今チューしようとした!?」
「なわけないでしょ…何回名前呼んだと思ってんの?もう昼休みはじまってるよ?」
「え、うそ」
心底呆れた表情の佑奈の言葉に、周りを見渡すとたしかにその光景は昼休みそのもの。
みんな楽しそうに机をくっつけてお昼をはじめている。
「いつのまに…」
4時間目の授業開始10分あたりから記憶がない。
「もー、どしたの?そんなボーッとして」
私の前の席の椅子に座ったりのが、お弁当の包みを開きながら言った。
「どうした、っていうか…」
ボーッとしている自覚はさすがにある。
その原因もわかってる。というか完全に一つしかない。
今でも、気を抜いたらいつでも頭の中にリフレイン。
【俺りののこと、マジで好き】
「っそっか…マジでか…!!」
「…頭大丈夫?」
だって色恋沙汰にまったく縁のない人生だったんだもん。
告白なんてしたこともなければされたことも、もちろんなくて
ひたすらバイト(&召使生活)三昧の味気のない毎日に…
突然の色恋沙汰だよ!?
そりゃちょっとは浮かれるよ!!!