ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「嵐くんも悪い男だよな~、りのって女落としたら金もらえるんだろ?で、用済みになったら俺らに斡旋とか」
「爽やかそーな顔してほんと、俺らより断然ワルだよな」
「けっこー顔カワイーんだろ?期待してるぜ~」
金もらえる…?用済みなったら斡旋?
なに、言ってんの…意味わかんない。
何で嵐くん、ずっと黙ってるの?なんで否定しないの?…その通り、だからなの?
好きって言ってくれたのは、嘘だったの…?
心臓がバクバクしてる。
こわい。でも聞きたい。きっと何かの間違いだよね?
だって私の知ってる嵐くんは、軽いけどそんなことする子じゃないもん。
「嵐く…「下がってろ」
歩き出そうとした私の腕が、ぐ、と強くつかまれて。
振り向くと
「宝示さん!?」
「俺が行く」
険しい顔をした魔王が前を睨みつけたままそう言って
嵐くんたちの方に歩き始めた。
「…おい。今喋ってたこと、もーちょい詳しく聞かせてもらうか」
「…っ!…え、りの…!?」
パッと顔をあげた嵐くんが、魔王の後ろにいる私の姿に気づいて青ざめる。
“まずいこと聞かれた”
そんな感情が丸出しで
…ああ、今言ってたことほんとなんだ…
すっと、足元が冷える感覚がした。