ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「…は?誰おまえ」
不良の一人が魔王の前に立ち塞がる。
「…口のきき方には気をつけろ、虫ケラ」
「あぁ!?てめっ…い゛っ!?」
胸倉をつかもうとした不良の手をすかさず捻り上げる魔王。
に、人間の人体構造上不可能な曲がり方をしている…!
「…ってえええ!」
ようやく腕を解放された不良は完全に涙目になり地面に座り込んだ。
そんな不良には一瞥もくれることなく
「おい」
周りの不良たちを乱暴にどけた魔王が、嵐くんの目の前に立つ。
「…おまえ、何のためにアイツに近づいた?今こいつらが言ってたこと、ほんとーなら殺すけど」
「…っ」
嵐くんは地面を見つめ、唇を噛むと
「……ごめん」
小さな声でそれだけ言った。
それは…全てを認めたということ。
「ってめぇ」
勢いよく嵐くんの胸倉をつかみあげる魔王。
「ふざけんな。ごめんで済むわけねーだろ…
アイツを落としてその後どーする気だった!?答えろ!!!」
魔王の迫力に、目を見開いて青ざめている嵐くん。
「…答えねーなら殺すしかねーな」
魔王が胸倉をつかむ手とは反対側の手を大きく振り上げる。
や、やばいっ…
気づいたらダッシュで走り出していた。