ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「っまだ動くな!」
宮前龍太郎を放り出した魔王が、ものすごく険しい顔で私のベッドサイドに駆け寄ってくる。
「いいから寝ろ。そしてできるだけ微動だにせず天井だけを見つめてろ」
「だ、大丈夫ですよーそこまでしなくても…」
すっごく顔が怖いけど、たぶんこれ、ものすごく心配してくれてる顔。
宮前龍太郎からもらったアイシングをほっぺに当てて冷やしていると
「…悪かったな」
ベッド横にあるパイプ椅子に腰かけた魔王が、呟くように言った。
「…俺のせいだ。女のこと殴るなんて…」
「違いますよ!あれは私が悪いんです、急に飛び出したから!
それに、宝示さん咄嗟に力抜いてくれましたよね?だからたぶん、宝示さんが思ってるより強く殴られてないです。だから大丈夫!」
少しほっぺが痛んだけど、ニッと笑ってみせた。
大丈夫アピールをしたつもりだったのに、なぜか魔王の顔が一層痛々しく歪んで
ぎゅっ、と。
真剣な顔で布団の上に置いていた手を握られた。
「今度は俺が守る。絶対。お前に痛い思いとか、もうぜってーさせねぇから」