ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。




「……え」




――一瞬、時が止まったような気がした。



ぎゅっと胸が縮んで、息ができなくなるような感覚。





「……って」





魔王がギロリと、小動物なら余裕で睨み殺せそうな眼力を部屋の前方に向ける。





「何撮ってんだ龍太郎!!!」



「あ、バレた~?リアル青春ドキュメンタリー、YouTubeにでも投稿しようかと」



「しばく!!!」



「はいはい、病院で騒がないの~」




やれやれと肩を竦めた宮前龍太郎が、スマホをブレザーのポケットにしまった。




「じゃ、俺はお邪魔みたいなんで退散しま~す。

一応言っとくけど暁、ここでヤんなよ?ヤるならラブホという神聖な施設が……、はい。失礼しました~」




魔王の威力を増した眼光に命の危険を察知したらしい宮前龍太郎は、いそいそと病室を出ていった。



…よかった、宮前龍太郎の危険を察知するスイッチも、完全に壊れてはなかったみたい。




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