ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「…で。お前もう大丈夫なのかよ」
宮前龍太郎が出て行って、鋭すぎる眼光をそこそこ鋭い眼光に戻した魔王が(通常モード)私に聞いてきた。
「大丈夫そうなら俺行くけど」
「あ、はい!すみません!宝示さん今日バイトですもんね」
「そんなのとっくに休みの連絡いれたっつーの。あいつ…赤井嵐。ボコしに行くに決まってんだろ」
ボキッ、と、ゴツい指輪に彩られた指を鳴らす魔王。
嵐くん…確実に殺されるのでは…
「だ、大丈夫です!嵐くんには私から話すので」
嵐くんを庇うわけではないけど、そう言った私に魔王の眼力が倍増する。
「…は?何言ってんの?アイツに何されたか分かってんのかよ?」
「わ、かってますよ。でも、自分でちゃんと、聞きたいんです」
まっすぐ魔王を見つめて言うと、魔王は深いため息を一つついて、
「…ったよ。でも俺も行くからな。絶対」
「…ありがとうございます」
なんでだろう。
魔王の言葉一つ一つが、なんだか今日は
くすぐったい。