ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
りのは俺が守る
「ごめん!本当に……ごめん」
力なく、テーブルにつきそうなほど深く頭を下げる嵐くん。
ここは、私たちがバイトしているファミレスとはまた別のファミレス。
店長に嵐くんの連絡先を教えてもらった私が、今日ここに彼を呼び出した。
「ごめんで済まされるわけねーだろ」
私の隣から容赦なく嵐くんに向かって放たれる氷点下の声。
「言っとくけどお前のことすぐに警察につきだしてもいいんだぜ?村松の連絡先なら知ってるし」
「…え?誰ですか村松って」
突然出てきた聞き覚えのない名前に困惑していると
「あ?警視総監だけど」
もっと困惑する返事が返ってきた。
「は…は!?冗談ですよね!?」
まったく魔王ったら超真顔で冗談言わないでよ~?
「はぁ?冗談なんかじゃねーし。村松は昔からよくウチに出入りしてたから。実家の警備もアイツの部下がいまだにやってるし」
「……」
「……」
「…おい何で黙るんだよ」
魔王の闇のオーラが深さを増したので
「と、ところで」
私は嵐くんに向き直った。