ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
シュンとする私に、
魔王が「そうじゃなくてー…」と真っ赤な髪の毛をガシガシ掻き回している。
挙動不審な魔王も気になるけど、私の心をどんより重たく沈めているのは、もっと別のこと。
「…誰、なんでしょう。私のこと落とせ、なんて嵐くんに依頼したの。ただのイタズラ…?」
「…ただのイタズラにしては頭金5万なんてでかすぎるけどな」
「ですよねー」
「おまえ誰かに恨まれてんの?」
「ええ?べ、別に、特別そんな覚えもないけど…」
でも自覚がないだけで、実は知らないうちに誰かにすっごく失礼なことしちゃったとか!?なんとか思い出そうと頭をフル回転させる私を見て魔王が
「…ま、いーよ。別のセンもあるかもしれねーし」
ポン、と私の頭を乱暴に小突いた。
「だからあんま考えんな」
「別のセンとは…?」
「だから考えんなって」
「えー無理ですよー」
だって怖いもん。
誰なのかも、目的もわからない。
だけどたぶん、“悪意”はある…と思う。
「見えない誰かからの悪意が…すごく怖い…です」