ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
こんなこと初めてだし、どうしたらいいかも、わかんなくて。
思わず足を止めた私に合わせて、魔王も足を止めた。そして一言。
「……あっそ」
「あ、あっそ、って」
ちょっと冷たくない!?
そりゃ冷徹無慈悲の大魔王とは知ってたけど、最近はちょっと違うと思ってたのに…!
「も、もっと他にも言い方ってもんが…」
「だって俺が守るし」
しれっと、まるで今日の夕飯のメニューを告げるように淡々と。
「言ったよな?今度は俺が守るって。あれ、信じてねーのかよ?」
顔色を1ミリも変えることなくそう言い放つ魔王に、私の方が狼狽えてしまう。
「だ、だっ…で、でも…」
「でも何」
魔王は少し苛ついているようだ。
「決めたから。りののことは俺が守る。
だから怖がんじゃねーよ」