ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。




その女の子に遠巻きに集まった生徒たちの興味津々な視線が注がれている。



その中に私と佑奈も加わって、改めてその女の子を眺めた。




黒く艶やかな髪の毛は長く、ゆるく巻かれている。


肌は雪みたいに白くて、漆黒の大きな瞳はまるでお人形みたいな長い睫毛に縁どられていた。



まるで白雪姫みたい…でも、なんか不機嫌そう…?




「ねえ、じいや。ほんとにここが暁の通ってる学校なの?なんか、すっごーいショボいんだけど!」




しかも儚げな外見に似合わず強い口調。ていうか、暁って…





「どけ」





その時、ピンッ…と空気に一本糸が張ったような、張り詰めた声がした。




それまでざわめいていた生徒が一斉に口を閉じ、ザッ…とその人物たちのために道を開ける。




「うそっ、魔王君臨?」




隣の佑奈だけが、道を開けながらも小声で楽しそうに呟いた。




ずんずん、あけられた道を女の子に向かって歩んでいく魔王。その隣にはクール参謀キャラバージョンの宮前龍太郎。



なんか、すっごい不機嫌…?





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