ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「えぇ~暁つめたぁーい。愛しの婚約者だっていうのにー」
ざわっ…!
さっきよりもさらに生徒たちのざわめきが大きくなった。
えっと…今の…聞き間違いじゃないよね…?
そんな思いで隣の佑奈を見ると、私の気持ちを完全に読み取ってくれたらしい佑奈が
「はは、婚約者だってー!魔王の中の辞書に“恋”とか“愛”とか“結婚”とか存在するのかね?」
なんて失礼なことを言っている。
でも、やっぱり私の聞き間違いではなかったらしい。あの子は、魔王の婚約者!?
「…うるっせえな」
魔王も否定しないし。
と思ったら魔王がクワッとその鋭い眼光を私たち一般生徒に向けた。
「うるっせえぞお前ら!黙れ」
しーん…と瞬間的にテスト中の教室よりも静まり返る生徒一同。
「暁。人も集まっているし余計な騒ぎは面倒だ。さっさと呉葉を連れて行くぞ」
宮前龍太郎が1ミリも表情を変えずに魔王にそう提案した。