ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。




「おい暁~」



見かねたようにソファから立ち上がった宮前龍太郎が魔王の肩に腕をまわす。




「そんな雑にしない方がいんじゃね?いちおー婚約者だろ~?」



「んなの親が勝手に言ってるだけだ。別に正式なもんでもなんでもねーし」



「あら、そう思っているのは暁だけよ?」




妖艶に、呉葉さんが瞳を細める。




「いくら天下の宝示とはいえ、皇族にルーツをもつ旧公家の西園寺との縁談は決して悪いものではないはず。むしろ地盤をより強固にするためには、喉から手が出るほど、欲しくてたまらないんじゃない?」



皇族?旧公家?


何が何だかわからないけど、とにかく呉葉さんがすごい人だっていうのはわかった。





「知るかそんなの」





だけど魔王はそんなもの、微塵も興味はないらしい。




「俺はそういうこと言ってる奴が一番嫌いなんだよ。今すぐ消えろ」


「まーまー、暁~」




一段と声を低くした魔王に全く臆することのない宮前龍太郎。




「じゃあさ、間をとってりのちんに決めてもらうっていうのはどう?

クレピョンがここに住むか、住まないか!」





…は!?!?





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