ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「なんでですか!?」
「無理なもんは無理だから」
何その理由!?
「ま、たしかに。私たちみたいな人間には、世話してくれる人間はいた方がいいしね」
ええー呉葉さんは絶対私の案に乗っかってくれると思ったのに…
まさかの召使いとして採用!?
「じゃ、そーゆうわけでがんばってりのちん!俺らは帰るから~」
絶望する私の肩にポンッと手をのせる宮前龍太郎がめちゃくちゃニヤニヤしているのを、私は見逃さなかった。
「わたしも帰るね~」
うららさんも宮前龍太郎の後に続いて立ち上がる。
立ち去り際、私の耳元でコソッと
「わたしは、りのちゃんの味方だから。お兄ちゃんのことよろしくね!」
そう言ってニコッと笑ううららちゃんに心癒されてしまう。やっぱり美少女の力は偉大だ…
「あっ待てうーちゃん!一人じゃアブナイだろ!?俺が送ってく!!」
「大丈夫だよ暁~俺が責任持って送ってくから♡あ、いざって時はちゃんと責任も取るし。男として…ね?♡」
「おいふざけんな耳もぎとるぞ」
背後でそんな騒ぎが繰り広げられている中、リビングにひとり残された呉葉さんと、バチッと視線がぶつかって。
「よろしく」
ふん、と呉葉さんが形の良い唇の口角を、くいっと吊り上げる。
「よ、よろしくお願いします…」
これからどうなっちゃうんだろう。