ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
改めて金銭感覚の差に恐れ戦く私の隣で、宮前龍太郎がのんきに「俺チョコレートパフェにしよっかな~」なんてどっかの女子みたいなことを言っている。
「え…夕ご飯がパフェなの?」
「んー?だってご飯でパフェ食べちゃいけないって法律なくない?」
「そうだけど私が宮前龍太郎のお財布持ってたら間違いなくステーキを食べるよ!!」
「え、なんか熱~。りのちんって肉食系女子なんだ~」
「ねえ、そっちの2人。イチャつくのはいいけどメニュー決めた?」
メニューの向こうから聞こえた呉葉さんの冷めた声。
「イチャついてません!」
メニューをガバッと下げて呉葉さんに言う。
「…おせーんだよ」
魔王はやっぱり不機嫌そう。
べつにそんなに怒らなくたっていいのに…なんて思いながら
「……チョコレートパフェと、お水で」
蚊の鳴くような声で答えた。