ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。




「と!!というか呉葉さん遅いですねー!!!ステーキが冷めちゃう~!!」




ハラハラした私は必死に話題を変えようと声を張り上げた。




呉葉さんは何分か前にお手洗いに席を立ったまま、まだ戻ってきていない。




「あーそうだね。ま、オンナノコのお手洗いは長いから~」




さっきの魔王とのピリついた空気が嘘のように、生クリームを口いっぱいに頬張った宮前龍太郎がのんきな声で言う。(うらやましい生クリーム…!)




だけど魔王は




「…そうだな」




宮前龍太郎とは対照的に険しい顔で頷くと、スマホを操作し耳に押し当てた。




「…チッ、出ねーし」


「もしかして呉葉さんですか?」


「ん。俺ちょっと見てくるわ」




そして席から立ち上がる。




「べつにほっとけよ、そのうち戻ってくるでしょー?」



「あいつ昔っから方向音痴なんだよ。ぜってーその辺で迷ってっから」





そして、




「おい、…やるよ」




私の前にいちごミルクのグラスを置いた。




「え…くれるんですか!?」


「やる。それ飲んどけ」


「ありがとうございま「もうパフェ食うんじゃねーよ」





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