ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「え…」
どう思うって、
言われても。
メガネをかけてない宮前龍太郎の瞳がじっと私を見つめてる。
試すように
面白がるように。
「…ねぇ、りのちん。りのちんは―――」
「あー!!ステーキ完全に冷めてるじゃない!!!」
呉葉さんが、すっかり冷めてしまったステーキを見て悲鳴をあげていた。
「おまえが道迷ってっからだろガキかよ」
隣では魔王が呆れたように立っている。
「ねえ!すぐに新しいステーキ持ってきて!」
呉葉さんが強い口調で店員さんに命じるその横で、魔王の目が私のいちごミルクに留まった。
「ほとんど飲んでねーじゃん」
「え、あ、ほんとだ」
「ほんとだって。なんだそれ」
ふっと魔王の瞳が細まるのを
なんだかおとぎ話のような感覚で見た。