ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。






“りのちんは俺らとは違う世界の人だよね”




「…言われなくてもわかってる、よ」




何かの間違いで、今たまたま、一時的に一緒に住んでるだけで。



かといって私たちの世界が交わったわけでは決してない。





そしてこれからも、そんなこと絶対に――







「おまえ今日ここで野宿する気?」






絶対にな、い…





「宝示さん!?」



「なんで電話でねーんだよ!?」





ビショ濡れになった魔王がつるつるお山の窓から中を覗き込んでいた。





「え、ちょ、な…!?」




驚きすぎて言語能力を失っている間にも、つるつるお山の中に入ってくる魔王。




私の目の前にドカッと腰をおろすと、





「へえ。庶民はこーゆうテントに泊まんだな」




興味深くつるつるお山の中を見渡している。




「これテントじゃないですよ」



「そーなの?で、何で電話でねーんだよ」





魔王の真っ赤な髪の毛から、水が滴り落ちていた。




文字通りのびしょ濡れ。もしかして、雨の中私を探してくれた…?




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