ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
暗闇の中、魔王と視線が絡み合う。
じわじわほっぺが熱くなるのがわかって
思わず視線を逸らして俯くと
「…め、召使いだろ!?り、りのは俺の!!!」
魔王が言い訳するみたいな口調で言った。
「お、おかげで今日ロクに何も食ってねーんだからな!?職務怠慢だろ!」
「すみません」
「ああもう、心配かけさせやがって…!」
ガシガシと、魔王が濡れた赤髪を掻く。
「…心配?」
「はっ!だ、だからそれは、召使いとして…!」
言葉に詰まる魔王。しばらく何か考え込むように黙ってたけど
「っわりーかよ」
何かを吹っ切ったように、私の目を真っすぐに見た。
「俺がりのの心配して悪いわけ?…気が気じゃ、なかったんだけど」
魔王の手がゆっくり伸びて
私の頬に触れた。
「りのの友達…佑奈だっけ?に連絡したら、ここには来てねーって言うし」
「え、佑奈に連絡したんですか!?連絡先知ってたんですか?」
「知るわけねーだろ。龍太郎に入手させた」
さすが二重人格だけどデキる参謀。
「…まだ外にいるかもって思ったら、雨降りだして。
気づいたら走ってた、傘も持たないで」