ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「え…傘、持ってこなかったんですか」
だからこんなに濡れているのか。
「…お前のせいだ」
魔王の頬に触れていた手が、ギュッと私のほっぺをつねった。
「痛っ」
「バカになる、俺。お前といると」
気づいたら、さっきよりも魔王との距離が近づいていて。
「俺には…誰もいらねーんだよ別に」
「え…?」
「人間は裏切んだろ、すぐに。女なんて特に鬱陶しいし。
でもお前は…りのだけは、近くにいないとなんか不安かも」
これは…どういう、意味?
魔王が私の顔を覗き込む。
頬にそえられた手が、軽く私の顔を持ち上げた。
「だから俺の見えるところにいろよ、ずっと」