ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「呉葉さん…!!!」
宮前龍太郎に連れてきてもらった特別クラス専用の校門の前で、呉葉さんはちょうど迎えの車に乗り込むところだった。
私の声に、呉葉さんが振り向いて眉をひそめる。
「…あら。これは意外なお見送りね。
あなたが連れてきたの?龍太郎」
「そこで偶然会ったんでな」
私の隣に立つ宮前龍太郎がクールに答えた。
「ふーん。暁は?」
「校長室に呼ばれてる。アイツも色々忙しいからな」
「そう。さすが宝示コーポレーションの次期社長は大変ね。まあ、こんな女に入れ込んでるようじゃ先が思いやられるけど」
フンッと鼻を鳴らすと、再び車に乗り込もうとする呉葉さん。
そんな呉葉さんを慌てて呼び止めた。
「待ってください!実は話したいことが」
「はぁあ?貴方が私に何の話があるっていうの?」
「えっと、話したいっていうか言っておきたいこと、というか…」
私はスウ、と小さく息を吸い込んで。
「わたし宝示さんのことが好きです」
一気に吐き出すようにして、言った。