ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「ど、どうしましょう?呉葉さんちに宅急便で送っ…」
「アホか。別にいいだろ、あいつ好きな飲み物くらい死ぬほど買えるんだから。それに」
「それに?」
「この世のいちごミルクは全部俺のものだ」
悪い笑顔を浮かべて魔王が言った。
―――…
夕飯を終え、魔王と一緒にソファでくつろぐ。
机の上には例の高級いちごミルク。
それぞれのグラスについで、乾杯した。
呉葉さん勝手にすみません…いただきますっ!
そう呉葉さんに心の中で言ってから、グイッと一口飲む。
ん…
「甘い~!」
「うめーな、これ」
魔王もその切れ長の瞳を微かに大きく見開いていた。
「いちごの風味をしっかり残しつつまろやかなコクの中にも微かな酸味が――」
魔王はたぶん世界初(?)いちごミルク評論家になれると思う。
――それから数十分後。
「ままま魔王!?じゃない、宝示さん!?どどどどどうしっ…たんですか!?」
「んー、べつに…どうもしねえよお~」
なぜか私にべったりと、魔王が抱き着いていた。