ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「…宝示さん」
知らなかった。
いつも鋭い目つきで
ジャラジャラ物騒なアクセ鳴らして
真っ赤な髪の毛がコワすぎて。
ぜんぶぜんぶ、
「…周りにされる期待に、応えたかったんですね」
“宝示暁”を守ろうとしてたんだ。
「でも、宝示さんは自由です!」
「…え?」
魔王が少しだけ顔をあげる。
赤い髪の毛の隙間から、澄んだ瞳が覗いていた。
「や、庶民に何がわかるって言われたらそれまでなんですけど…
でも、お金持ちでも、いちごミルクが顔に似合わず大好きでも
宝示さんは、宝示さんです。そこは誰にもぶらせない。だから、」
魔王の顔を両手で包み込んで
強制的に顔を上げさせた。
「宝示さんは自分の好きなものだけ持って、自由に生きていけます!」