ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「ぐ、うおおおっ…!」
渾身の力で魔王の体の下から抜け出すと、魔王はやはり、気持ちよさそうに目を閉じて眠っていた。
「魔王ってお酒弱いんだなー…」
まさかあのツンデレがデレデレになるとは…貴重なモノを見たかも。心臓に悪すぎたけど。
魔王が寝ているのをいいことに、私は魔王の寝顔をじっくり観察する。
寝顔は、コワくないんだな。むしろ可愛い。無邪気っていうか。
――たぶんこれが、魔王の素顔、なのかもね。
「…安心してください」
手を伸ばして、魔王の真っ赤な髪の毛をゆっくり、撫でた。
「私は、そのままの魔王が好きなんで」