ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「あれ、佑奈から電話だ」
魔王と手を繋いでマンションを出て、少し経った頃。
スマホが震えて、見ると佑奈から着信だった。
朝から電話なんて珍しい。
「…出てもいい、ですか?」
「…ん」
魔王がどこか名残り惜しそうに私の手を離す。
…って!
名残惜しそうっていうのはあくまで主観!もしかして自惚れかもしれないし!!調子にのるな北浜りのー!
あぁっさっきから心臓がずっとウルサイんだよもー!!!
「っおはよう佑奈!!」
『わ、っくりしたー。なんかすごい勢いあんね、どした?』
電話の向こうで不思議そうな顔をしている佑奈の顔が目に浮かぶ。
「いや、なんでもない…ところでどしたの、こんな朝から?」
『あー…うん実は。大変なことになった』
珍しく佑奈が言い澱んでいる。
「大変なこと…?」
『…うん』
少し置かれた間に、嫌な予感が募った。
『りの、今どこ?直接話すから、そこにいて』
「学校で話すじゃダメなの?」
『うんダメ。とにかく、そこから動かないで!』