ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「チラッとな!チラッと小耳に挟んだんだよ!
なんか、庶民のクラスじゃ教師たちが打ち上げ花火すんだろ?
夜8時半から毎年5発から6発、勉強をがんばってる生徒に労いと合格への祈りをこめて色とりどりの花火があがるって聞いたけど?」
「そ、そうなんですか…!」
小耳に挟むどころかめちゃくちゃ詳細を聞いている!
「だから俺もソッチ行くわ」
「え……なぜ?」
素朴な疑問を口にすると、魔王が「っそれは!」とわかりやすく言葉に詰まった。
「…俺は花火が大好きなんだよ」
「そうだったんですね、知りませんでした。
特別クラスの方では花火とかあがらないんですか?」
「あー?なんか、夜はサーカスがきてショーするらしいけど」
「えっ!そっちのが豪華なんじゃ…!」
花火もいいけどサーカスもめちゃくちゃ楽しそう…!!
「ライオンとか来るんですかね!?」
「あー?知らねーよ興味ねーし。ってんなことはどーでもいんだよ。
だからつまり…夜あけとけよ」
「え?夜?」
「っあのさあ、」
イラついたように、魔王が真っ赤な髪の毛をグシャグシャにした。
「だから、言っただろさっき!一緒に見ねー?って」