ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。




「でも、大丈夫なんかですか?特別クラスの方抜け出して」



「ダイジョブだろ、全然」




たしかに…魔王に「ちょっと抜け出したらダメだよ~」なんて言える先生、この学校に1人もいる気がしない。




納得していると




「ていうか、さ」


「え…ぶ、」




不意に近づいてきた魔王に、ぐいっと両方のほっぺを潰されて、タコチューされた。




「な…なんでふかこへ(何ですかコレ)」



「やっぱ敬語なんだ」



「…え」




そういえば朝、魔王に言われたんだった。“敬語やめね?”って。





不満げな顔で私のほっぺから手を離す魔王。





「やっぱ気になる?居候とか、召使とか」


「そ、そりゃー…」


「…俺は召使いなんて、終わりにしてもいいって。今朝も言ったけど」


「…でも、そしたら…

私がここにいる理由が、なくなっちゃうっていうか…」





私たちの同居生活が、終わってしまうような気がする。




おかしいよね。はじめはあんなにこの同居生活を、終わりにしたかったはずなのに。





リビングに数秒間、沈黙が落ちて。




「じゃあ」



その沈黙を破ったのは魔王だった。





「今は召使いでもいい。でも敬語はやめろ。これは命令だ」





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