ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「で」
宮前龍太郎のメガネをかけていない瞳が、私の全身をゆっくりなぞった。
「なんでビショ濡れ?」
「え、あ、これは…」
「もしかしてイジメられてる?暁との同居、バレたから」
…え。
「なっ、知ってたの…!?」
「うん。特別クラスでも、知ってる奴は知ってるよ。ショック受けてる女子もいるし」
「…そうなんだ…」
じゃあ、もしかして魔王も言わないだけで、知ってる…?
そんな私の心の声を読んだように、宮前龍太郎はにっこり微笑んで言った。
「だいじょーぶ。
暁は知らないよ。あいつ今、それどころじゃないみたいだし」
「それどころじゃない、って?」
「んー?」
宮前龍太郎にとって私の質問なんてどーでもいいようで、ポケットから一口サイズのチョコレートを取り出して食べ始めた。
相変わらず自由人だなー。
「りのちんも食べる?」
「あ、うん。ありがとう」
「はいどーぞ。暁と花火一緒に見るんだって?」
「…え!?」
突然放り込まれた話題に、思わず受け取ったばかりのチョコレートを落としてしまった。
話題転換が急すぎる!