ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
あ…はじまっちゃった、花火。
真っ暗な穴の底から、
私はひとり夜空を見上げる。
ほんとだったら、魔王と見るはずだったのに…今頃魔王、もしかして私を探してたりするのかな。
いや、待ち合わせに全然来ないことに激しくキレてるのかもしれない。それか…
心配してるかな…
「はぁ~~~…」
油断してた。
水をかぶせられてから嫌がらせは一瞬だけど落ち着いてたし、この勉強合宿も、とくに何もなかったから。
「……最悪だ」
花火、見たかったな。
魔王と。
一緒に花火を見たら
伝えられる気がしてた。
私の、気持ちも。
「……好き、だって」
「ほんと。お前好きだよな、こーして俺に探させんの」
……え?
聞き覚えのある声に顔を上げると
息を切らせた魔王が、私を見下ろしていた。
「なんか前もなかった?こーゆうこと」