ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
それが、あまりにも綺麗で。
魔王の腕の中が、すごく暖かくて。…これって。
「…夢?」
「……はったおすぞ」
私を抱きしめたまま、魔王の声が低くなった。
「だ、だ、だって、本当なんですか!?宝示さんが私のこと、その…好きって!!」
「おい好きとか改めて言うんじゃねえ恥ずいだろ!!」
「じゃあやっぱり嘘なんですか!?」
「はぁあ!?何でそーなんだよ!!」
抱き合ったまま言い合いをする私と魔王。
「信じろよ!俺がりののこと好きだって!!
…ってだから2回も言わすんじゃねーよ恥ずいだろうが!!!」
ギュウッと魔王の腕に力がこもり窒息死しそうになった。
「ちょっ苦し…」
「あっわりい」
慌てたように私の顔を覗き込む魔王。
「大丈夫か!?」
その声には、心配の色が溢れてて。
…そうだ。魔王はいつも、私のことなんだかんだ、心配してくれたよね。…想って、くれてたんだよね。
「…信じます」
魔王の瞳を真っすぐ見つめ返してそう言うと、一瞬虚をつかれたように目を見開いた魔王が、次の瞬間、不機嫌そうにそれを細めた。
「…おっせーよ、ばーか」