ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
対決
このおじいちゃんの名前は東雲さんというらしく、どうやら魔王の家で長年執事をしているらしい。
「それにしても焦りました。暁坊ちゃんが一人で林の中に入っていったと聞いたときには」
「…なにもヘリで来ることねーだろ」
「なにごとも、空を飛ぶのが一番速いですから」
ヘリの中だというのに、優雅に紅茶をいれてそれを魔王に差し出す東雲さん。
「どうぞ、坊ちゃんが好きなストロベリーティーです」
「いらねーよ」
「おや、そうですか。それでは北浜さん、いかがですか」
「え、いいんですか?」
「もちろんです」
にっこり上品な笑顔を浮かべた東雲さんから紅茶を受け取る。
窓の外では、夜景が綺麗に瞬いていた。
それにしても私の人生でヘリに乗る日がこようとは…しかもその中でこんな優雅に紅茶を頂く日がこようとは。
あれ?ていうか、なんで東雲さん、私の名前知ってたんだろう。
「――で。一体アイツは何の用だよ。りののことまで拉致しやがって」