ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。





いたずらっぽく笑う宮前龍太郎と、今までの宮前龍太郎の姿が重なる。





“暁のオモチャは俺のオモチャ。そーゆうことでい?りのちん?”



“おい暁。もう行くぞ。あんまり庶民と喋るな”



“もしかしてイジめられてる?暁との同居、バレたから”





ぜんぶ…ぜんぶ、宮前龍太郎が仕組んだことだったの?





「っふざけんな…!」




魔王が宮前龍太郎につかみかかって、乱暴に壁に押し付けた。





「お前の言ってることが本当だとして、だったら目的はなんだよ!?」



「一つしかないじゃん、そんなの」





それまでニヤニヤしていた宮前龍太郎の顔から、すっと笑顔が消える。






「暁が弱いからいけないんだよ」



「は…?」



「これ以上暁のこと傷つける奴はいらねーんだよ」





ガッ…!!




宮前龍太郎が魔王の頬を思い切り殴った。




大きくよろけた魔王が、目を大きく見開いて宮前龍太郎を見る。





「ちょ、何して…!」



「りのちんごめん」





宮前龍太郎が眉を下げた。





「暁が、りのちんに惹かれはじめてるのに気づいたから。

試したかったんだ、
りのちんが暁から、離れていかないかどーか」





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