ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
宮前龍太郎はずっと笑顔だ。
まるで笑顔で壁一枚、作ってるみたいな。
「…そんなことないと思う。ちゃんと言った方が…」
「いや、いーって。俺わかってるから、暁の性格「わかってねーよ」
宮前龍太郎が一瞬息をのんで
勢いよく振り向いた。
いつの間にか屋上のドアのところに魔王が立っていて、機嫌悪そうに瞳を細めている。
「暁…」
「龍太郎。お前いっつもそうだな。いつもヘラヘラしてるくせに肝心なこと何も言わねーし。つか人の女勝手に呼び出してんじゃねーよ」
ひひ、人の女!?
苦笑いする宮前龍太郎。
「はは、ごめん」
「俺の方がお前の性格わかってるよ。
肝心なとこはいっつもウジウジしてんだよ。
俺とだって、勝手に“ご学友”とかセン引きやがって…
お前が周りのスパイどもの目気にして、
キャラ作ってんのもほんとはすげー嫌だった」
スパイどもって…もしかして魔王のお父さんの!?
だから学校の時はクールな参謀キャラ作ってたんだ…
「…まぁ俺も人のこと言えねーけど」
物凄く小さな声で魔王がそう付け足した。