ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「…うん。そうだね。俺らお互い、作ってばっかだったよなーキャラ」
「でも俺はお前にはいつも素だったよ」
魔王がゆっくりした足取りで、宮前龍太郎の前に立つ。
「周り全員敵だって思ってたけど、龍太郎にだけはキャラ作ったことなかった。お前は違うのかよ?」
「……暁」
「俺は、お前とはずっと“ただの友達”だと思ってた」
風が吹く。
私と魔王と、宮前龍太郎の間を、吹き抜けていく。
「………ご、めん」
風に宮前龍太郎のセットされていない前髪が揺れて、表情を隠した。
「……俺、」
「だから責任持ってこれからも俺と、と、トモダチデイロ」
なぜか後半片言の魔王。
「……え?」
前髪の間から、宮前龍太郎の丸くした目が見えた。
「でも俺、暁とりのちんに許されないことを…」
「言っとくけど許してねーよ!全く!1ミリも!
でも当のりのが許してんだから仕方ねーだろ!?!?」
あああっもう!!と魔王がイラついたように、ガシガシ赤髪を掻いた。
「お前が傍にいねーと不便なんだよ、俺が!!5才の時に友達任命されたんだから一生責務をまっとうしろバカ!!!」