ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「え、と、じゃあなんて呼べば?」
まさか魔王と呼ぶわけにもいかないし。
「……そりゃ、一個しかなくね?」
「え、やっぱり魔…」
「言っとくけど魔王じゃねーからな」
「!?」
ばばばバレてる!?
サアッと血の気が引いた。
よっぽど青ざめていたのか、魔王がそんな私を見て呆れたようにため息をつく。
「言っとくけど知ってたから、庶民ども…じゃない、一般クラスの生徒の間で魔王とか呼ばれてんの。
りのに至ってはたまに口に出してたし」
「えっウソ!!」
「ウソじゃねーよ。
まぁどっちでもいんだよそんなことは。
俺が言いたいのはつまり、その…………………」
魔王が口ごもったまま30秒が経過した。
「つまり、その?」
「っだからつまり!!
……“暁”って呼べよ」
「っ!!」
そう言った魔王の耳は
昨日までの髪の毛よりもよっぽど赤かった。