ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
なんて言えばいいの!?魔王の召使いです、って…!?
グルグル頭を巡らせる私にしびれを切らしたのか、宮前龍太郎がクイッとメガネを持ち上げ言った。
「俺は宝示暁の身辺警護も任されている。怪しき人物は…」
ビシッと皺ひとつないブレザーの内側に右手をいれる宮前龍太郎。
怪しき人物は…なに!?まさか銃が出てきてバーンとか!?やだよすごい痛そうだし死にたくないし!!
「あ、あの私は決して怪しい者ではっ…」
「いい加減にしろ龍太郎」
私の声にかぶせるようにして、割って入ってきた低い声。
「ふざけんのも大概にしろよ」
ふざけんのも、って…?
頭を「?」マークでいっぱいにして、眉を寄せこちらを見る魔王に視線をうつした時だった。
「わりーわりー。それにしても女オモチャにするとかお前もスミに置けねーよなあ」
…ん?なに今の軽そーな声。誰?
思わずキョロキョロと辺りを見渡す私の前で、宮前龍太郎がメガネを外した。
メガネの奥にあったはずの冷徹な瞳は…
どこにもない。
「暁のオモチャは俺のオモチャ。そーゆうことでい?りのちん?」