ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「で、ですよねー」
ホッとしたような男の声と
「おい、足を止めるな。学長に指定された時間に間に合わない。行くぞ」
魔王と同じくらい温度のない、宮前龍太郎の声。
私のすぐ近くを複数の足音が通り抜け、やがて静かになった。
「りの大丈夫!?」
佑奈が駆け寄ってきて心配そうに隣にしゃがみこむ。
その頃には、だいぶ目まいもおさまっていた。
「うん、ありがと佑奈」
佑奈の手をかりて立ち上がる。
うん、大丈夫そう。問題なく歩ける。
「りの~、やっぱり今日の体育は見学しな?マジで具合わるそーじゃん」
「いややる。今日ハードルだよね?今の私なら自己新記録確実に出せると思うんだよね…
怒りで!!」
悪かったねどっかの石コロみたいな女で!いやそうだけど世界の宝示グループに比べたら私なんてどっかの石コロと同等の存在価値かもしれないけどでも!!
「石コロだって必死に生きてんだよ~~!!!」
「り、りの、よくわかんないけど元気出たみたいでヨカッタ!!」