ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
残金1,123円
ついさっきまで私の住居であった築57年の木造ボロアパートは驚くほどよく燃えていた。
オレンジ色の炎が空高くあがっている。
おーさすが木造、よく燃えますな~
なんてノンキなことを考えてしまっているあたり
たぶんとうに精神崩壊していたんだと思う。
「お…金…わたしのお金…」
ヨロヨロと炎に近づこうとした私は、集まってきたギャラリーにドンッとぶつかられ
踏ん張れず、その場に倒れた。
「いったあ…」
目の前には、カバンから転がり落ちたと思われる財布。
いま…いくら持ってたっけ?
と、咄嗟に持ち金を確認したあたり、やっぱり意外としっかりしていたのかも。だけど
「1,123円…て…」
突き付けられた厳しすぎる現実に
やっぱり精神崩壊した。